屈折異常(近視遠視乱視)と老眼

メガネやコンタクトレンズで視力が改善されるもので、通常の屈折異常と老視は全く異なるものです。それぞれについて簡単に解説しておきましょう。

近視について

 これは皆さん良く知っているのではないでしょうか?遠くの景色などの画像が、眼の中のスクリーン(網膜)の手前に焦点を結んでしまい、ボケた画像となっている状態です。手元は良く見えるけど遠くが見えない状態です。この場合の手元とは、近視の度合いによって変わってきます。強度数になるほど目の前数十センチと近くなってきます。この場合の視力矯正として、メガネ、又はコンタクトレンズに凹レンズを使い焦点の位置を網膜へとずらします。

 長い間、近視矯正をしないでいると、メガネ、又はコンタクトレンズを使ったときに手元が見にくくなることがありますが、これは今まで手元を見るのにピント調整をしなくても見えていたのに、メガネ・コンタクトレンズを使うことで、本来あるべきピント調整をすることになるからです。まあ、筋肉痛のようなもので、一月くらいで緩和されていきます。    

遠視について

 良くあるんですが、老眼と遠視を同じものと思っている人がいます。遠視は近視の正反対の状態を言います。遠くの画像が網膜の後方にピントが合ってしまい、そのためボケた画像となってしまいます。ところがやっかいなことに、眼の中には水晶体という度数を変えれる強い凸レンズがあります。これは通常より強い度数には任意にできるので、自分でずれたピントを網膜状へ引き寄せて見ることでピントが合ってしまうことがあるのです。
 ですから視力検査の時、じ〜っと見ていると見えてきて、視力は異常なしになってしまうことが多いのです。無論、近くを見るときはピント調整をしないと見えませんから、遠くを見ている状態のうえに追加してピント調整をしなくてはならず、眼としては過酷な状態になります。つまり遠視は遠くも近くも余分なピント調整無しでは見ることが出来ない、少々厄介な状態です。そのため、可能なかぎりメガネ・コンタクトレンズの常用が大切です。

乱視について

 これが以外に説明しにくい。通常、目に入ってくる光というのは、網膜上の一点にピントを結ぶべきものなのです。しかし乱視眼は、一定方向からの光のみがはやく屈折してしまい、目の中でピントの位置が一つではない状態とでもいいましょうか。通常は乱視の方向は、はやくピントの合う方向とおそく焦点を結ぶ方向で90度の角度の違いがあるものです。こういった乱視を、正乱視といっており皆さんが知ってる乱視は全てこれだと思っていいでしょう。
 ただ 正があれば、やっぱり不正があるわけで、不正乱視というのもあります。これは乱視という文字そのものです。焦点が無数に存在し、光が散乱している状態と思っていいのではないでしょうか。

            

 以上が屈折異常というものです。その矯正には一般的にはメガネ・コンタクトレンズを用います。裸眼視力が0.1以上の近視で、左右で度数の差がない状態ならば、必要時の使用でもかまわないと思います。しかし、遠視、乱視、裸眼視力が0.1をきるような近視や左右の度数が違う場合などにおいては、不自由を感じなくてもメガネ・コンタクトレンズなどを常用することが望ましいと思います。

老視について

 さあ、いよいよ老眼の話です。しかし、この老眼という名称は良くないですね。いかにも歳を取りましたという感じで...。
 近くのものを見るときに、ピント合わせをしなくては見えないことは誰だって知ってます。このピントを司っているのが目の中にある水晶体っていうレンズです。本来柔軟性に富んだ組織で、レンズを厚くしたり戻したりしてピントを調整しています。しかし、25才頃から中心部より硬化してきて、充分厚くなれなくなってくるんです。そして、本を読んだり書いたりするような距離でもピント調整がうまくいかなくなるのが45才前後なので、老眼と呼ぶんです。なんてったってちょっと前まで人生50年ですから、充分こりゃ老眼とよべますね。つまりピント合わせをする調節機能の加齢による低下というものです。わたしもそろそろ見にくいことがあるんです。まいったな〜。(^o^) 

 簡単なチェックとして、自分のピントの力を測ってみるといいです。必ず遠くがよく見える眼鏡又はコンタクトをしたままで(裸眼で1.2見えるようならそのままで)片目を手で閉じて、もう片方の眼で自分の手の指紋がどこまで眼に近づけても見えるかを体験してみてください。(これを調節近点といいます)一般的に小学生の場合、8センチ程度まで近づけても見えます。40才ではそれが25センチ、50才では1m位になります。60才ではほとんどその力は僅かしかありません。もっとも、人間には瞳(瞳孔)があるので、実際にはこれより全体に近くまで見えます。老眼鏡を作るかどうかの目安としては、20センチより遠ければ考えていいでしょう。この不足したピント調整を補うのが眼鏡です。眼鏡をかけたから、この老眼が進行しやすいかというと、そうではありません。これは、単なる老化が原因ですから。
  じゃあ遠近両用と近用のみと、どちらがいいんでしょう?これは、用途の問題でしょう。ただ「遠くは見えるから老眼のみでいい」と、よく言われるのですが、肝心なのはその老眼のみのレンズを掛けているときはピントが近くに合っているので、そのまま遠くを見ると回りが見えないということです。眼鏡をかけたままで、近くも遠くも見たい場合は遠近がいいでしょう。最近ではコンタクトの遠近両用もあります。

 いつからメガネを掛けるかは、不自由を感じた時点で掛け始めればいいんです。仕事の内容によっても違うでしょうし、何をするかによってメガネを考えればいいんです。何度も言いますが、メガネを掛けるとはやく老眼が進行するのではと思う人もいるでしょう。でも、老眼というものは先に書いた通りですから、掛けたからって老化が早まるわけではありません。ただ、老眼の原因にもう一つ水晶体を支えている筋肉(毛様体)の硝子化があげられます。これを考えると多少の無理くらいなら、させたほうが良いかもしれませんが。