コンタクトレンズ

ここで言うコンタクトレンズは、すべて屈折矯正用のものをいいます。そもそもの発端は、なんどレオナルド・ダ・ビンチの発明(発案)が基となっています。
ご存知のように、コンタクトレンズには水を含まず堅いハードコンタクトと、水を含んだ(非含水もありますが)ソフトコンタクトがあります。ここではできる限りわかりやすく、その特性や適性をご説明します。

ハードコンタクト

これはご存知のように、古くから親しまれてきました。以前はコンタクトといえばハードが当たり前でした。以前は直径8mm程度のPMMA(ポリメチールメタアクリル酸樹脂)を用いたものが使われていましたが、これは酸素透過せず、水ぬれも悪く、現在はほとんど作られていません。これに替って、RGPHCL(酸素透過性ハードコンタクト)が現在の主流となっています。
このハードコンタクトの最も優れた点は、角膜乱視が原因となっている乱視眼の屈折矯正能力とそのレンズ寿命、角膜内皮に与える影響が少ないという点でしょう。しかし、角膜乱視が原因していない乱視眼や角膜乱視はあるが乱視眼でない目に対しては、反対に乱視(残余乱視)を発生させてしまうので、適性とはいえません。残余乱視が心配される場合の対策としては、どうしてもハードが良いのであれば、角膜乱視を可能なかぎり打ち消さずにすむ柔らかい素材が良いといえます。

ソフトコンタクト

ここでは非含水のソフトは除いて説明します。直径が13〜15mm程度の水を含んだ素材であり、最も多いのはHEMA(ヒドロキシエチルメタクリレート)といわれるモノマーです。現在では日本においてもアメリカFDA基準によるソフトコンタクトを4つのグループに分けて分類する方法がとられています。

グループ1:低含水(50%まで)非イオン系ソフト

グループ2:高含水非イオン系ソフト

グループ3:低含水イオン系ソフト

グループ4:高含水イオン系ソフト

日本で発売されているソフトの多くがグループ1に属します。グループ2ではメニコンソフトSやメニコンソフト72など。また使い捨てソフトの多くはグループ4のレンズです。酸素透過性は含水率が高いほど良いのですが、イオン系では汚れが付着しやすいことに問題が残ります。
ハードコンタクトに比べて、ソフトコンタクトは異物感も少なく、装用感が良い事が特徴です。また、スポーツなどでは脱落しにくいので向いているといえます。しかし、問題もあります。一番は酸素透過能力が低いものが多いということです。これにより角膜内皮に負担がかかることが多い点です。そして、汚れが付着しやすい点です。これにより寿命が短く、ハードの2年に対して、ソフトは8〜12ヶ月と考えるのが適当です。また、ランニングコストもハードのほぼ2倍かかると言っても良いでしょう。年間でおおよそ4万円程度はかかると考えられます。この手入れを惜しむとよく発生するのが、アレルギー性巨大乳頭結膜炎(GPC)です。これが発祥するのは長い期間かかることを考えると早く治るとはいえ、最低でも2週間は装用が困難なことが多いようです。ですから、汚れやすい事が想定される場合、使い捨てタイプが適当でしょう。
また、多くのソフトコンタクトは乱視矯正能力が低いので、乱視眼にはあまり向きません。乱視矯正用のソフトコンタクトも存在しますが、すべての人たちに適応するわけではありませんが、適正に合わせられたものでは、十分な矯正も可能です。

ディスポーサブルコンタクト
 外したら保管をしないで捨てるタイプとケアをしながら使うタイプの2タイプがあります。本来は前者をディスポーサブルコンタクトレンズ(DSCL)といい、後者は頻回交換レンズまたは頻回交換レンズ(PR−SCL)と呼びます。ともにSCLであり、長くとも2週間後には捨ててしまいます。(1ヶ月交換や3ヶ月交換は日本では医師の裁量で指示されていますので、ここでは除外します)従来のCLに比べてきわめて使用期間の短いCLであり、一般的には同一視されているといってもよいでしょう。

 現在の日本におけるSCLのシェアはPR−SCLとDSCLとSCLをあわせると80%を越え、全体の大多数を占めています。今後は遠近両用なども多くなるだろう。

 ではその特徴を書いてみよう。

1、良好な酸素透過性
 高含水SCLはもちろん低含水でも大変薄くなっており良好といえる。

2、いつもきれいなレンズ
 SCLの場合、どんな方法でも汚れの除去はその半分程度までとなってしまう。煮沸、コールド滅菌、蛋白除去なんにしてもである。その汚れによって、GPCなどのトラブルが発生しやすい。しかしディスポの場合、定期的に換える或は一日で交換してしまうので、いつも汚れの少ないレンズを装用できる。

3、良好なレンズ管理
 短期間で換えるために蛋白除去と行っためんどうな操作もなく、洗浄、消毒操作も簡略化されており、たいへんコンプライアンスの良いレンズといえる。

4、確実な定期検査の受診
 一般的には6カ月以内に受診する人はわずかに10%にすぎず、全く受診をしない人が1/4を占めている。通常3カ月分の販売のため自動的に再来院がかなりの確率で期待できる。またユーザー自身も定期検診は6カ月に1度は必要と思っているが、来院を忘れてしまっている。あるクリニックの定期検診は50%程度と聞いているが、先に記した値から見ても、これは決して低い数値とは私には思えないが、皆さんはどう思いますか?

5、ユーザーの志向
 ほとんどのユーザーにとって先記した1〜4の項目について、歓迎されており理にかなったレンズといえる。

6、度の変わりやすい年代に向く
 中学生や高校生などでは半年で度数が変わってしまうことはよくあるが、従来型では適時に度数変更はできず、そのまま使わざるを得なかった。ディスポならば3カ月分の販売のため、随時定期検査時に度数変更は可能。良い視力状態を堅持しやすい。

7、従来型のSCLの予備として
 あるいは、旅行用として使用ができる。通常はメガネで生活をしている人たちでも、スポーツでは使いたいといった短期間の使用は得意とするところ。

遠近両用コンタクト
 ハードコンタクト、ソフトコンタクトともに遠近両用レンズが用意されるようになりました。
 以下には遠近両用タイプについて紹介してみよう。

光学的な機能から分類すると、この2タイプがあります。順を追って説明しよう。

1、交替視型:眼鏡における遠近両用レンズを思えばいい。遠用部では遠用のみを見る時に使用し、近用部では近用のみにその部分を使用する。そのため遠近ともに良い視力が得られる。ハードコンタクトに用いられている。
 このなかでもセグメント型と同心円型の2タイプがある。セグメント型はまさにバイフォーカルであり、レンズの下半分が近用部となる。当然レンズが回転するような人には使えない。このタイプでは現存するレンズは少ない。同心円型は中心部分に遠用を配しその周辺ぐるっと1周が近用部になる。遠用部は瞳孔径よりも大きくなっている。これは回転には良いが、角膜の中心部安定が良くないといけない。このタイプが現在ではほとんど。メニコンのメニフォーカルZ、レインボーのクレールなど。ただ、レインボーのクレールについては、同時視型の要素をあわせもっている。

2、同時視型:瞳孔内に遠用部と近用部が存在し、どちらの画像も網膜には一緒に映ることになる。遠くを見たときは遠用部を通して見えるはっきりした画像と近用部を通して見えるボケた画像の2つが見えている(近くを見たときはその逆になる)。その画像のうちハッキリしている方が網膜と脳の機能により選択されるわけです。聴力における音の選別機能に似た機能のようです。これにもタイプが3型あり同心円型、累進多焦点型(非球面型)、回折ゾーン型といいます。以下に説明しましょう。

同心円型:形態は交替視型のそれとかわらない。ただ中心円部分が瞳孔よりも小さくなっており、また、近用部分が周辺に位置するとは限らず逆のタイプのレンズもある。ソフトコンタクトがこのタイプになる。メニコンのメニフォーカルS、J&Jの2weekアキュビューバイフォーカル、チバビジョンのフォーカスプログレッシブなどもこのタイプ。

累進多焦点型:前面非球面型と後面非球面型があり、一般的には後面非球面型。中心部が遠用となっており周辺部へいくにしたがって、曲率が減じプラス寄りになっている。B&LのPA-1がこのタイプ。

回折ゾーン型:通常の単焦点レンズの内面に同心円状の細い溝(円形の回析格子)がいくつもつけられている。溝の深さや間隔で加入度を変える。遠くの画像は通常のレンズと同様に網膜に結像し、近くの画像は一次回折像として網膜上に結像。回折を利用しているためコントラストは劣ってしまう。歳をとるにつれコントラストの能力が下がっていくことを考慮すべきかもしれない。