マンホールのふたが丸いのはなぜ?

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ビル・ゲイツの「パズル面接試験」
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マイクロソフト社(1975年創業、社員5万人)では、毎月、1万通以上の履歴書が届く中から有望とされた人に対して詳しい電話聞き取り調査がなされ、さらに選別された人が本社で1日がかりの面接を受ける。(マイクロソフト社の社員の半数はインド人?)

人の能力で「知識」と「知能」のどちらが大事か?ソフトウェアのように技術進歩が極めて速い業界では「知能」を重視することが常識である。ところが、日本では技術進歩の早い業界でも、知能を重視する採用はほとんどなされていない。知能重視選抜で有名なのが、「才能ある労働力こそ資産」だといっている米国マイクロソフト社である。

マイクロソフト流のユニークな人材採用試験の方法は「パズル面接」といわれている。それはパズルを取り入れたもの。面接でのパズルの中身は公表されていないが、インターネット上では多くの実例が明らかにされている。代表的なものをいくつか示すと。

問1.鏡が上下は逆転せず、左右だけ逆転させるのはなぜか? 
問2.マンホールのふたが丸いのはなぜか? 
問3.車のドアの鍵はどちらに回すのがよいか? 
問4.M&Mチョコレート(マーブルチョコのようなもの)はどうやってつくるか?
問5.アイスホッケーリンクの総重量は?
問6.世界中のピアノ調律師の数は?
問7.富士山をどう動かしますか?

これらのパズルには正しい答えがあるものも、無いものもある。面接は、応募者1人に3人以上の社内の優秀な人材が順次担当し、即時に電子メールで評価を次の担当者へ連絡する。
こういった特定の専門分野に限らない一般的な「問題解決能力」を測る試験は、マイクロソフトや他の技術系企業、ウォール街の採用面接においてお決まりのものとなっている。

では、なぜ「パズル面接」をおこなうのか

このようなパズル面接では「間違った不採用はあっても、組織にとって致命的となる間違った採用はない」とされる。

競争力が問われる業界の会社は、「(1)頭は良くても何もできない人、(2)何かはするが頭は良くない人、を避けよ」と考えている。(1)の人は、博士号を持っていても実務能力がないので、誰にもいうことを聞いてもらえない。(2)の人は、何かはするがばかげたことをして、他の人が後で尻拭いをしなければならない。

これらの人を避け、「頭が良くて、しかも何かをする人」を選ぶのは難しい作業だ。論理パズル面接が役立つのは、パズルを解く力(=論理と想像力によって問題を解く力)を調べるのに、他の試験よりは優れているからだ。「論理パズル」は技術革新を要する会社ならどこでも直面する問題を、コンパクトに示している。

千葉大学工学部講師 弁理士 豊田正雄氏「米国産業復興の秘密はパズル面接から?」
http://chizai.ne.jp/cz_site/column_200308.html より
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●いま、「特色化選抜」の面接の練習をやっているでしょ。どんな質問がいいのか調べていたら、こんな記事が出てたよ。
▲これでいうと僕たち中学生の試験は知識重視だ。(そうだ。)
▼何でこんな試験をやるのかな。きっと、ビル・ゲイツはパズル好きなんじゃないかな。
■もうじき特色化の面接があるけど、こんな質問だといやだなぁ。「自分の長所と短所を述べてください。」という質問の方が簡単だよ。ところで、この会社に入るとどれくらい給料がもらえるの。
●ソフトウェア開発担当者の初任給は、年俸約800万円。会社ではかなり自由に行動できるらしい。自社の株を買う権利もある。ちなみにビル・ゲイツの年俸はわずか約4千万円。(ただし、資産は自社株の値段約5兆1600億円)
そういえば、面白い話がある。社員数人のマイクロソフトが大きくなったのは、BASICを移植するというIBMの仕事がまわってきた時からだ。IBMの幹部に提案書を説明する段になったとき、ビル・ゲイツはネクタイを忘れたことに気がついた。普段はラフな格好で髪もぼさぼさ、あまり身だしなみに気を使うタイプではない。ところがネクタイを買っていると30分ほど遅刻をする。さて、彼はどうしたか。
◆30分遅刻する方を選んだ。(YES)

★(2)の「何かはするが頭は良くない人」はこのクラスにもいます。(いるいる。ばかげたことをする人。)
▼でも、この試験で本当に「頭が良くて、しかも何かをする人」が選ばれるのかなぁ。
●じゃあ、これを私たちが実際にやってみて確かめてみよう。


マンホールのふたはなぜ丸い?

★でも、こんな問題にどうやって答えればいいの?
▲簡単にできそうな問題からやってみよう。
■マンホールなんか簡単そうよ。
▲丸いと落ちないからでしょう。
●人がかい?
▲ちがうよ。マンホールが穴に。
●どうして?
★マンホールが穴に落ちたら大変ですよ。
●どうして落ちないのかを聞いているの!
▲説明はしにくいな。
●だめだよ。説明ができないと人を動かすことはできないからね。
▼A君は頭はいいけど、説明できないから人を動かすことができない人ということか。
▲ひどいなあ。じゃあ説明するよ。マンホールはどこを測っても直径だろ。
▼わからんな。
▲・・・
■例えば、正方形のマンホールがあるとすると、これは穴に落ちてしまう可能性があります。
●どうして?穴は正方形よりもちょっと小さく取ってあるよ。
■穴の対角線は正方形の一辺よりも大きいから、斜めにすれば落ちます。それに比べて円はどこも同じ幅です。
●なるほど。これは説得力があった。
▲それに、丸いと転がしやすいから持ち運びやすい。
■転がってしまうと困ることだってあるわ。それより、円だと仕事で穴に出入りしやすいよ。
▼マンホールが車の振動で動いて穴に落ちてしまったら、道路は危険だよね。なんだ、簡単じゃないですか。これが正解なの?
●この本「ビル・ゲイツの面接試験」(青土社)にはそう書いてあったな。
◆でもさ、正方形がだめなのはわかったけど、正三角形だとどう?
▼そういえば正三角形の穴に対角線はないな。
▲正三角形のマンホールの方の高さは辺よりも短いよ。
▼そうか、すり抜けるな。
★やっぱり、円しかないわ。
■正5角形はどう?
★対角線よりも短い所があります。
●では、本当に円しかないと思う?
★角をどんどん増やしていくと無限の多角形の円になるから円しかないと思います。
●実は円以外にも落ちない図形がいっぱいあるんだ。
◆エーッ。
●例えば、この正三角形だって、ちょっと工夫すれば落ちないようにできる。

 
ルーローの三角形

▲わかった。高さを辺と同じにすればいいんだ。コンパスを使って頂点を中心にして。こんな形になる。丸い三角形だ。
●円ではないよね。しかも、高さが辺の長さと同じになっています。これをルーローの三角形といいます。
▲そうすると正方形も同じ様な図形ができるよね。これもルーローの四角形というの?
■よく考えてみて。正方形の場合、どこを半径にするの?
▲そうか。正方形だと円と同じになってしまう。じゃ、五角形はどうかな。・・・これはできる。
●つまり、正多角形でも奇数でないとルーローはできない。ルーローの7角形もある。これは、コインに使われているらしい。
■円と同じだから自動販売機にも使えるわけですね。それに、このお金だと落としたとき円みたいに転がらないからいいわ。
◆ところで、このルーローの三角形は何か役に立つの?
▼知っているよ。マツダのロータリーエンジンのピストンに使われている。
▲そういえば、U君は車に詳しかったね。(写真)

参考サイト  吉田勝美さんのサイト【数楽どん話(1)】 
     ホームページ【http://www2.odn.ne.jp/~aai55890/】

▼このアプレットすごいね。この動きを見ていると、これでドリルを作ると正方形の穴を開けることができそうだね。
●そうなんだ。これはもう特許をとってあって、すでに実用化されているらしい。ところで、ここにルーローの三角形を持ってきたんだ。これを「コロ」にして転がすよ。どうなると思う?
★へぇ。高さが変わらないわ。案外スムーズですね。円とそんなに変わらないみたい。

●さて、このルーローの三角形と高さが同じ円を比べてみよう。周の長さはどうなっている?
◆円周は2πr。ルーローの三角形の周はどれだけだろう。扇形の弧の長さを求めると、3つの角度の和が180度だから、(実際に計算してみよう。)
  ・・・
 へーぇ同じだ!
(では、ルーローの五角形の周の長さはどうだろうか。扇形の角度を全部足すとこれは、星型5角形の内角の和と等しくなる。この内角の和は180度。そうすると周の長さは?)
■面積はどう? 円はπr^2だわ。
▲円のほうが大きいみたい。
▼周の長さが同じなら円の方が絶対に大きいはずだ。
◆実際に計算してみよう。
  ・・・
 やっぱり、ルーローの方が少ない。
★そうすると、ルーローの三角形の方が円よりも重さが少なくてすむから、マンホールの値段が安くなるんじゃないかしら。
■でも、面積が少ないということは狭いということじゃない。だから、円は同じ周で面積が一番大きいからマンホールに適しているんだと思うわ。それに、マンホールは重くて動かなほうがいい。簡単に持ち上げれるようだと困るでしょ。

▼ところで、お金は円だけど、三角形のお金だと面白いよ。
▲自動販売機の穴は三角形の高さだけあればいいことになる。
◆そんなお金や自動販売機があれば面白いな。三角形の高さをいつも意識できるよ。
■こんなことを言ったら、マイクロソフトの面接で合格するんですかねぇ?
▲ユニークな発想をするやつだということで、案外採用されるかもしれないよ。
▼今気がついたけど、ぼくたちはみんなで考えながらこれを深めていった。面接は一人でしょ。
★これを一人で考えるというのは無理だわ。
●マイクロソフトの面接は、試験官と会話をしながらやるらしい。逆に質問することだって重要な力でそれも評価に入れるらしい。
■みんなで考えると意外な考え方が出てくるし、それに先生みたいなみんなの考えを引っ張っていくリーダーだって必要だわ。
◆昔から三人寄れば文殊の智慧というよ。
●烏合の衆ともいうな。いろいろしゃべるけど、知恵の足りない人もいるもんね。

■ところで、マイクロソフトでこうやって採用された人は、会社で優秀な人材になっているんですか?
●実は面白いデータがあるんだ。このグラフを見て。(豊田正雄氏 パズル面接より)

▼あれ、このグラフは、最近下がっている。特許取得の件数ががた落ちだ。
▲どうして?優秀な人材がいなくなったのかなぁ。
●会社も人間と同じで、元気なときもあれば歳をとっていくときもある。この仕事での発明は、マイクロソフトがほとんど探し出してしまったんだ。ではこの後、マイクロソフトはどうしたらいいと思う?
▼優秀な人材をもっと集める。
▲このいい時の特許をもとに、特許料をとる。
■人材の問題じゃなく、組織の「話し合い」や「運営」の問題のほうが大事じゃないですか。いくら優秀な人材を集めても、束ねる人がいないとだめでしょ。
▼この「パズル面接」でそういう人もわかるのかな?

★パズル面接というのは、知能検査と同じじゃない?
●面接だから、基本的に違う。知能検査はアメリカで1900年代に始まった。これがいろんなところで採用検査として使われたらしい。ところが、知能検査でIQの高い人だけをとりだして、その後を調べた調査があるんだ。その人たちも普通のIQの人たちと同じ様な職業につき、結局変わらなかったと、この本「ビル・ゲイツの面接試験」に書いてあった。この本は、知能検査がそんなに有効でないということと、面接で15秒で感じたことと1時間かけたときと、印象はそんなに変わらなかったと書いてあるよ。
■最初の印象がとても大事だということですね。
▲ボクは知能検査があまりよくなかったけど、心配しなくてもいいということだな。
▼面接なんていい加減なものということかな。
◆試験官の力量の方が大事というわけだよ。

■マイクロソフトならプログラマーが仕事でしょう。そしたら、プログラムができるかどうかが大事じゃないの。
●ところが、最近はソフトが巨大になってきて、プログラムを作るのに数十人がかりで作るらしい。そうするとまとめる人が必要で、その人は出てくる様々な問題を解決する必要があるということだ。
★でも、頭のいい人ばかり採用するとその会社は困るんじゃない。
▼どうして?
★頭のいい人ばかりだと、みんな自分が正しいと考えてまとまらないんじゃない。それに頭のいい人ばかり集めると、他の会社に頭のいい人がいなくなるからもったいないよ。

●そういえば、こんな研究がある。

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働きアリ」、2割が働かず 北大・助手らが研究
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「働き者」とされながら、ほとんど働かない「働きアリ」がいることが、北海道大大学院農学研究科の長谷川英祐助手(進化生物学)らの研究で分かった。29日から北大で始まる日本動物行動学会で発表される。

長谷川さんらは、カドフシアリと呼ばれる小型のアリの3コロニーそれぞれ約30匹のアリにマジックで目印を付けて1匹1匹を識別し、その行動を毎日3時間、5か月にわたり調べた。すると、全体の1〜2割が、じっとしていたり、巣の中をうろうろしたり、自分の体をなめて掃除したりしているばかりだった。エサは、エサを集めてきた働きアリから、口移しでもらっていた。

その結果、「巣の外にエサを採りに行く」「卵や女王アリをなめてきれいにする」「ごみを捨てる」などの仕事をほとんどしないアリが、どのコロニーにも約2割いた。

働きの良い6匹を取り除くと、次に仕事熱心な層の労働量が若干増えたが、働かない層はやっぱり働かなかった。逆に仕事をしない6匹を除去すると、よく仕事をしていた数匹の労働量は若干、減った。最も働いている層の仕事は、幼虫の世話が大半だったという。

役に立たないように見えるが、研究チームは今後、働かない働きアリを取り出したコロニーで、幼虫の成長率やコロニーの拡大などに変化があるかどうか調べる。長谷川さんは「優秀な個体だけでは、集団の生産性は最大にならないことがわかってきている。仕事をしないアリにも何らかの役割があるかもしれない」と話している。
                           (読売新聞)(2003/10/29)
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■もしかしたら、ミツバチにだって、「怠け蜂」がいるかもしれないわ。
▲「働きアリ」だけを集めても、その中からまた「怠けアリ」が出てくるということかな。
▼逆に「怠けアリ」を集めたら、その中からは「働きアリ」が出てくるというのはなんとなくわかるな。人間も同じだよ。(H君はいつも怠けアリ!)
★このアリは「働きアリ」とか、これは「怠けアリ」だとか思うのは人間の価値観だけで、アリはそんなこと考えていないんじゃない。怠けているように見えても、きっと何かやっているんだわ。
●「働き者」「怠け者」は、互いの関係の中で出てくるもので、はじめから「怠け者」として決まっているんじゃないよね。「頭が良い」というのも、同じように関係性の中から出てくるものなんじゃないかな。
◆そういえば、K君は遊びのこのとなら頭が回るもんね。サッカーをしている時は賢いとか、あの人といると賢くなるとかあるよね。(あるある!)
●さて、もう一つ、面白いアリの研究がある。

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秀才ばかりじゃ生産性低下!?アリのエサ集め研究結果
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秀才ばかりの集団では、組織の生産性は低下する――。大阪府立大大学院工学研究科の西森拓・助教授らがアリの行動をコンピューターで再現したら、そんな結果が出た。エサ集めの下手なアリが集団内にいた方が、優秀なアリだけよりもたくさんエサが集まった。札幌市で開かれた日本動物行動学会で31日、発表した。

アリはエサを見つけると、巣への帰り道に目印になる物質(フェロモン)を塗りつけ、他のアリはこの目印を触角でたどってエサ場に向かう。

西森さんらは、目印に敏感なアリと感度が悪いアリの行動をコンピューターで再現。すると、感度の悪いアリがいる集団の方が、エサを効率よく集めた。

優秀なアリは目印を忠実に追うため、エサを効率よく集めるが、目印に固執するあまり、新たなエサは発見しにくかった。一方、鈍いアリはうろうろすることで、エサを発見するチャンスが高まるらしい。ただ、実際にエサを集めるのはほとんどが秀才アリだった。

西森さんは「特に状況の変化が著しいときには、人間でも手堅い秀才ばかりでは駄目なのかもしれない」と話している。
                (読売新聞)[2003年11月1日14時45分更新]
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■おっちょこちょいがいた方が、いいというわけね。そうすると、「行動的だけど知恵がない人」も必要ということね。
★この学級にだってそういう人がいるよ。その人のおかげで団結できたことだってある。頭のいい人は、先が見えるから慎重で行動しないかもしれないわね。
▼バカがいるから、人間は発達した。納豆を食べたバカがいたから、おいしい納豆が食べれる。毒キノコを食べたバカがいたから、どれが毒キノコかわかった。
▲バカバカと言わないでよ。


相手の立場に立つと解ける「論理パズル

●この本「ビル・ゲイツの面接試験」には、パズル面接をどう切り抜けるかという方法も書いてある。まず、どういう答えが期待されているかはっきりさせる。とか「完全に論理的な」存在は、普通の人間とは違うなど。
これは、パズルの解き方を面接で生かせるように述べたものだが、それよりもパズルの中には、相手の立場に立たないと解けないパズルというのがある。これは、相手の立場に立つトレーニングとしても面白いと思うから紹介しよう。

『ある王様が、三人の死刑囚に三枚の白いシールと、二枚の黒いシールを見せ、「この中の三枚のシールを君達の額に貼るが、自分のが白いシールと確信したら逃げ出してよい。しかし、黒いシールだったらその場で射殺する。もちろん話したり、合図しても射殺。」と言いました。そして見えないように三人の額に白いシールを貼り、二枚の黒いシールは隠してしました。他の二人の額は見えますが自分の額は見えません。三人はしばらく考えていましたが、やがて一斉に逃げ出しました。』

●さて、この3人はどうやって自分のは白いシールだったとわかったのか?
▲さっぱりわからない。
▼二人が白だから自分も白だと考えた。
★そんなの論理的ではないわ。まず、三人をA,B,Cと名前をつけましょう。Aが私とすると、白か黒のどちらかしかないから、自分がもし黒だったらと仮定するのよ。
◆Bから見ると、白と黒が見える。
▲今度は、ボクがBになる。Aは黒だから、もし自分が黒だったらCは必ず白だ。そうすれば、Cは必ず逃げる。ところがCは逃げない。ということは、自分(B)は黒ではない。だったら、自分(B)は白だ。逃げることができる。
★ところが、Bは逃げていないわ。とすると、自分(A)を黒としたのはおかしいというわけだから、自分(A)は白ということね。
▼このように3人とも同じことを考えれば、自分が白だということがわかるわけか。
■このパズルは、相手の立場に立てるかどうかを調べることができる問題、ということですか。

●もう一つ、同じような問題をやってみて。
『悪魔が何人かの小人をとらえました。小人にはその額に赤か緑の宝石を埋め込みます。どちらの色かは教えませんし、小人どうし話し合うことは禁じられています。毎日、小人たちは整列させられ、人数を調べられます。ある日、悪魔は小人に飽き、開放することにしました。悪魔は、小人全員が自分の額の宝石の色を推測できたら自由にしてやろうと告げます。ヒントとして、赤、緑とも必ず一人はいることを教えます。全員の自由を勝ち取るためには、小人は毎日の整列のときに、無言で赤い宝石をつけた小人全員が一歩前に出なければなりません。それが正しければ、全員自由です。もし一人でも違ったら、全員殺されます。小人たちはいくら時間をかけてもかまいません。小人たちはみな論理的で、全員が家に帰りたくてたまりません。小人はどうすればいいでしょうか。』

■小人どうしで、相手の立場に立って考えるんですね。
▲このような時は、単純にして考えるといいよ。例えば、小人の人数が3人で、赤の宝石が1人として考えたらどうかな。
◆赤の一人になってみよう。周りを見わたすとみんな緑だ。ということは・・・
▼わかった。・・・

●これらの問題はゲーム理論の「コモン・ノレッジ」の概念につながっていきます。
▲「コモン・ノレッジ」ってなんですか。
●暗黙に共有されている知識というのではなくて,みんなが知っていることをみんなが知っていることをみんなが知っている……というふうに無限に続く知識のことです。ここからまた新しい世界が広がります。

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